2ちゃんねる もとい 5ちゃんねる
こんにちは。なごやんです。
最近5ちゃんねるの専ブラがエラーになります。
は?何それという人も多いかもしれませんね。
5ちゃんねる自体も若い人には馴染みがないかもしれません。
インターネット黎明期に、完全に匿名で書き込みができる巨大掲示板として一世を風靡したサービスのことです。
かの有名なひろゆき氏が作ったもので当時は2ちゃんねるという名前でした。
「ハッキング」から「今晩のおかず」まで といったキャッチフレーズで、要するに何でも話題にできる巨大無料掲示板でした。
今は5ちゃんねるという名前で私と同世代の昭和生まれ世代がメインユーザとなりサービスが続いています。
専ブラは専用ブラウザの略で、5ちゃんねるを専用で見るスマホアプリブラウザです。
それが諸事情でエラーとなってしまい、専用ブラウザを使った5ちゃんねる閲覧ができません。
まあそのうち直るでしょうが、この匿名無料巨大掲示板、なぜこんなに流行ったんでしょうか。
それはインターネット黎明期特有の事情が関係していたのだと思います。
若い人には信じられないかもしれませんが、当時の若者が触れられる情報というものは今より劇的に少なく、そのせいで敷かれたレールを走ることが唯一の正しい道だと思ってしまう傾向があったような気がします。
勉強しなければいい大人になれない、悪いことをするやつはまともな仕事につけない、好きなことを仕事にするべきじゃない、高学歴でなければ最低の人生が待っている、定職を持たないやつはだめだ、職人よりはホワイトカラーだ、金を稼ぐことを考える奴は卑しいやつだ、若者は年長者のいうことを聞くものだ、頭ではなく痛みでしか覚えられないことがある。。。
そういう今では理不尽ともいえる大人バイアスに対して抗えるだけの情報も、抗ってドロップアウトしたらどういう別の道が開けていくのかという情報もありませんでした。
要するに「見る前に跳ぶ」以外に道はなかったのです。
そうやって逃げ道なく抑圧される若者が求めたのは同じく抑圧される立場にある同世代の友人たちとのつながりでした。
ただそれもインターネットがない時代には難しいものでした。
電話代はものすごく高く、いったん家に帰ればもう翌日まで友達とつながることはできません。
深夜になれば部屋で一人ぼっちでオールナイトニッポンを聞くか補導やトラブルを覚悟で深夜徘徊するしかありません。
夜な夜な若者がつながりを求めてたむろし、公園でおしゃべりをして時間を過ごし、抑圧する大人に反抗する不良というものがひとつのステータスであり社会現象にまでなっていた。
それは時代の必然だったように思います。
今の若者に「盗んだバイクで走り出す」ことや「窓ガラスを壊して回る」という、犯罪覚悟で爆発するしかないほどの抑圧があったことを想像するのは難しいと思います。
(あ、盗難も器物破損もだめですよ。いくら抑圧されても正当化はされません。)
そんな時代に突如として生活に入ってきたのが携帯でありインターネットであり2ちゃんねるでした。
そこには今まで隠されていたいろんな情報がありました。
もちろん真偽がわからない情報が玉石混合で、匿名という形態での本音のぶつかり合い、罵りあい、暴露が飛び交いました。
今まで情報が満足に与えられない若者が混乱するほどの情報の海が開けていたのです。
そしてまたその発信者は同世代の若者たちでした。
同じように傷つき悩んでいた若者が、情報を求めて、はけ口を求めて2ちゃんねるに集結していたのです。
殺人予告にドラマのネタ、政治の主義主張に、隣国との歴史感の違いや東京裁判史観、儲け話に陰謀論、エログロなんでもあり。
初めて見聞きする情報が渦をまいていて、それらにふれて一喜一憂しながら玉石を見分けながら、少しずついろんな知識を増やしていきました。
そうやって情報を得ることで自分の道が広がっていく感覚。
それが、かの匿名無料巨大掲示板が大流行を巻き起こした理由だと考えています。
時代はすぎ、敷かれたレールは1本ではないことがわかり、荒野を歩く先人たちの知恵も居ながらにして得られるようになりました。
まとめサイトで何でも調べることができます。
24時間友人知人はおろか知らない人とも外国人ともつながれます。
時代はかわったな。改めてそう思います。